メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

養老孟司・評 『<わたし>は脳に操られているのか』=エリエザー・スタンバーグ著

 (インターシフト・2484円)

「自由意志」と道徳的行為の主体性の擁護

 大方の神経科学者の見解は間違っている。著者はそう主張する。なにが間違っているのか。「人間の思考と行動はすべて脳内の状態によって引き起こされる」という神経生物学的決定論が、である。

 著者はイェール大学附属病院の神経内科医である。ただし実験をするのではなく、これまでのさまざまな脳研究の結果を紹介しつつ、いわゆる安楽椅子の探偵を演じる。著者の意図はヒトの自由意志の存在と道徳的行為の主体性を擁護することである。そうした自分の意見は少数派だと著者は自認する。使われている論理はむずかしくない。必要十分条件が理解できる程度で十分である。

 引用される研究も著名なものが多く、一般の人にもわかりやすいはずである。アントニオ・ダマシオの「ソマ…

この記事は有料記事です。

残り1088文字(全文1438文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「声をかける暇もなかった」遺体発見 なぜ…悔やむ生存者 福島・本宮

  2. おげんさんといっしょ 「#おげんさん」再び世界トレンド1位に 第3弾もSNS大盛り上がり

  3. 路上生活者の避難拒否 自治体の意識の差が浮き彫りに 専門家「究極の差別だ」

  4. 大規模河川の堤防も対応能力超え決壊 そのメカニズムとは

  5. 満身創痍ギリヤーク尼ケ崎さん 西新宿で青空舞踏 命の尊さ祈りささげる

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです