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京に生きる・技と人

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/7 龍村美術織物織り手・岩間利夫さん 憧れと志が磨いた「宝」の腕 /京都

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両手を素早く動かして帯を織る岩間利夫さん=京都市上京区の龍村美術織物烏丸工場で、小松雄介撮影
両手を素早く動かして帯を織る岩間利夫さん=京都市上京区の龍村美術織物烏丸工場で、小松雄介撮影

 龍村美術織物(本社・京都市中京区、龍村旻(きよし)社長)の烏丸工場(上京区)へ、自転車で通勤する。約15分。帰りは地形上、やや上りになるので20分ほど。「前は歩いていたけれど、さすがにやめました」。そう言って笑う「織り手さん」の岩間利夫さんは、今年で82歳になった。自転車になったといっても、なお足腰が丈夫な証拠だ。

 1894(明治27)年創業の同社は、帯地をはじめ、古代から伝わる「名物裂(ぎれ)」の復元なども手がける。創業者である初代・龍村平藏の帯地の仕事について、作家、芥川龍之介は「何よりもこの芸術的完成のために、頭を下げざるを得なかったのである」と、大正期に東京日日新聞紙上で最大級の賛辞を贈った。その伝統のもと、多様な技で織りなす多様な織物は、社名の通り「美術品」の域。そこに「会社の宝」と呼ばれる職人が…

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