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平松 洋子・評『プリズン・ブック・クラブ』アン・ウォームズリー/著

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囚人たちが語り合う読書会。異色のノンフィクション作品

◆『プリズン・ブック・クラブ』アン・ウォームズリー/著 向井和美/訳(紀伊國屋書店/税抜き1900円)

 男子刑務所での、囚人たちの読書会!? 一瞬、えっと驚く。違和感の正体は何か、よくよく考えてみると、「読書」ではなく、「会」にあるとわかってくる。

 刑務所と読書は、親和性が高い(らしい)。刑務所ほど読書に集中できる場所はないと聞いたこともあるし、人生で一番たくさん本を読んだ時期は収監中だったという話も、服役経験をもつ人が書いていた。

 しかし、「会」となると、ちょっと話は違ってくる。読書会は、本を通じて語り合い、交流する場である。そもそも収監中の囚人、つまり、社会的に不適合だとされた男たちに、果たして穏やかな「語り合い」ができ、違う意見を他人と共有できるのか。そもそも、本について、どんな表情で、どんなふうに会話を交わすのだろう。シチュエーションに引き込まれるところからして、ノンフィクションとしての魅力は全開だ。

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