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論点

里親制度推進の課題

黒田邦夫氏

 虐待やネグレクト(育児放棄)などで親元で暮らせない子供は昨年、約3万6600人に上った。5月に成立した改正児童福祉法には、子供たちが家庭と同じような環境で育てられるよう、里親家庭での養育、つまり家庭養護を推進する考えが明記された。だが実態は、8割の子供が乳児院などの施設で暮らす。どうしたらよいのか。自治体、施設、元里子の視点から考える。【聞き手・榊真理子】

 親と暮らせなくなった子供は施設で暮らす割合が高い−−。日本は世界からそう見られている。里親などによる家庭養護を重視するのは国際的な流れであり、日本は遅れているとも指摘される。だが、本当にそうなのだろうか。

 確かに、子供の親族が公的な手続きを経て里親となり、公費をもらって子供を育てる「親族里親」の割合は、日本は諸外国に比べて極端に低い。各国の政府発表や論文によると、オーストラリアは里子の半分、米国も3分の1、近年は里親による養育が増えている韓国・ソウル市では95%が親族里親の元で暮らす。日本は15%しかいない。

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