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写真・文=半田カメラ
これは、大仏写真家である半田カメラが、一般的に知名度は低いが素晴らしい!という国内の異空間スポットを、勝手に日本ワタシ遺産に登録、紹介するという、とても個人的で偏った企画です。
おばあちゃんの手作り弁当のような、上等ではないがグッとくる仏像群
仏像の価値とはどこにあるのでしょう。作られた年代の古さ? 出来不出来? 著名な作家の作品だから素晴らしい? 私は美術史と違う価値ってあると思っています。どんなに古くても新しくても、姿形が奇異であっても、信仰の対象としては等しく尊いと思うのです。それに、例えばプロの料理人が作った高級フレンチは間違いなくおいしいし、高級ブランドの服は良いものです。でも本当に心に残るものって、お母さんが一生懸命作ってくれたお弁当だったり、手作りのワンピースだったりするんじゃないでしょうか。そういう意味で今回ご紹介する仏像群は、私にとって田舎のおばあちゃんのスペシャル弁当のような存在。上等とは言い難いけれど、だからこそグッとくる。そんな仏像群が広島の山奥に人知れず存在しています。
広島県呉市、たくさんの住宅が建ち並ぶ急勾配の細い坂道を登った森の中に、源宗坊寺というお寺はあります。迷いそうな山道に「お寺はここだよ」と教えてくれているように、入り口には仁王像が立っています。でもそれは私たちが知っている仁王像とはちょっと違っているような。平たく言えば、個性的で型破り、そしてどこか可愛らしい。田舎のおばあちゃんに「カルボナーラ作って」と頼んだら、できたものはカルボナーラとはちょっと…
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