これほどの鶴、いや、鳥の大群を見たことがない。観光客らが興奮して何か叫びながら感激の思いを口にしているけれど、その声すらかき消してしまうほどの鶴の大合唱だ。天と地が鶴で埋め尽くされた空間に抱かれているような、不思議な感覚を覚える。
アジアとヨーロッパ、アフリカの3大陸が出合う中東の一角に位置するイスラエル。その北部にあるフーラ湖と周囲の湿地帯を含む自然保護区は、渡り鳥たちが行き交う交差点のようなところだ。年に2回、約390種、5億羽を超える鳥が飛来する。
鶴の大群が現れるのは、毎年11月から1月末にかけて。秋季だけでも10万羽以上が飛来し、その約4分の1がこの湿地帯で羽を休めて越冬する。乾燥気候が目立つ中東で、この湖沼地帯には、長旅の補給に必要な食料や水が豊富にある。鶴ばかりではない。ペリカンやムラサキサギ、ブロンズトキ、カワセミなど、数え切れないほどの野鳥を目にすることができる。双眼鏡を手に、まるで自然の野鳥博物館を歩くようだ。
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