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現代デザイン考

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オランダという国 単純明快な形と色

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 オランダが気になる。

 ユニセフの「先進国における子どもの幸福度」調査では1位(2013年)。国民1人当たりの総所得は日本の約1・3倍なのに、年間平均労働時間は8割以下。世界で初めて同性婚を法律で認めた国でもある。

 堅実でありながら進取の気風にも富む−−そんなイメージがある。

 『幸せな小国オランダの智慧(ちえ)』(紺野登著、PHP新書)を読み、理由が少しつかめた気がした。筆者はデザインの視点から企業経営を研究する専門家。経済戦略や文化、サッカー等を通し同国の「強さ」を考察した本書で、特に自然災害への対応が興味深かった。

 国土の4分の1が海面下にある同国はしばしば洪水に見舞われた。1953年の大洪水を機に約40年かけ実施した巨大治水事業が「デルタ計画」だが、過程で干潟再生を求める意見を取り入れて開閉式防波堤を採用。現在も地球温暖化に対応した新計画が進む。「(オランダは)知的弾力性をもっている」「『これで安心、安全』とは結論づけない」と筆者は述べる。被災の歴史が育んだ知恵と力。地震災害が続く日本が同国に学べる点は多…

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