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武田 砂鉄・評『洗礼ダイアリー』文月悠光・著

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上から目線の戯言に屈しない凜々しさ

◆『洗礼ダイアリー』文月悠光・著(ポプラ社/税抜き1400円)

 自意識なんていつだって過剰だ。過剰で何が悪い、と思う。だから、自意識を土足で踏みにじり、かくあるべしと指南しすぎる誰かを見つけると腹が立つ。意見を発するのは、自分がそう思ったからであって、アナタに反応してもらうため、ではない。

 「20代半ばの女性詩人」という、ちやほやされがちな特性の中を静かに歩く書き手は、不躾(ぶしつけ)な言葉を方々で浴びる。初対面の男性客から「あなたの朗読にはエロスが感じられないね。最近セックスしてる?」と言われ、編集者からは「きちんと働いたことのない人が書いたものなんて、どんなに言葉が良くても、心に響かないよ」と言われる。

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