政府税制調査会(首相の諮問機関)は29日、総会を開き、国際的な課税逃れ防止の強化策について議論した。政府は、日本企業の海外子会社の所得について、日本の親会社と合算して課税する対象を拡大する方針。政府税調は、制度設計などを議論したうえで、政府・与党の2017年度の税制改正に盛り込むことを目指す。
現在、課税逃れ対策として導入している「タックスヘイブン対策税制」では、法人税の実効税率が20%未満の国・地域の子会社の所得を日本の親会社に合算して課税している。だが、子会社が実体のないペーパーカンパニーでも、現地の税率が20%以上なら適用されず、課税逃れを許す可能性があった。
そのため、日本の親会社と合算して課税する基準を、対象国の税率から事業実体の有無に切り替える。子会社の所在地の税率が20%以上であっても、子会社に実体が無ければ日本の親会社の利益に合算して課税する。日本(29.97%)より税率が高い地域は対象外とするが、新たに中国や韓国、オランダなどに置いた子会社に対象が拡大し、課税逃れを目的にしたペーパーカンパニーのほとんどを網羅できるようになるとみられる。
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