スイス中部、ルツェルン湖の南に位置する標高1898メートルのシュタンザーホルン。眼下には緑や湖と寄り添うように街並みが広がり、アイガー、メンヒ、ユングフラウなどアルプスの山々が見渡せる。8月でも山頂の気温は体感で10度ほど。頬に当たる風がひんやりと心地よい。
この自然豊かな行楽地で自然以外の「モノ」が注目されている。2012年にデビューした世界初のオープンデッキ付き2階建てロープウエー「カブリオ」。デッキに上がると視界を遮るものはなく、大自然の空気を肌で感じながら、ダイナミックな風景をカメラに収めることができる。定員はガラス張りの下層キャビンが60人、上層デッキは30人。上下は階段で移動できる。名称はオープンカーの「カブリオレ」と「ケーブル」に由来し、15年にスイスデザイン賞にノミネートされた。
かつてはふもとのシュタンスから山頂のホテルまで、全長約3915メートルを3区間に分けて結んでいた。使われていたのは19世紀末に地元のシュタンザーホルン鉄道が敷設したケーブルカーだ。1970年の大嵐でホテルと最終区間が壊滅的な被害を受け、75年に後半2区間がロープウエーとして再建された。カブリオはその2代目。最初の区間は今もレトロなケーブルカーが走っている。
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