メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

衆院解散風 そんなに選挙が好きか

[PR]

 国会にまた「解散風」が吹き始めている。安倍晋三首相は否定しているものの「首相は来年1月開会の通常国会で衆院を解散し、総選挙に踏み切るのではないか」という臆測が与野党間で消えない。

     だが、どう見てもこの解散説は与党の都合を優先したものであり、国民の信を問う大義には乏しい。風にあおられて、与野党議員が臨時国会の審議に気もそぞろでは困る。

     以前からあった1月解散説が強まったのは、自民党が例年1月に開いている党大会の日程を来年は3月5日と決めたのがきっかけだ。

     与党は今、衆参両院で圧倒的多数を占めている。しかも4年間の衆院議員の任期は約2年も残っているのに、なぜ1月解散なのか。

     自民党からはこんな声を聞く。

     <安倍首相の自民党総裁としての任期は現在、再来年秋までとなっているが、党内では総裁任期を延長する検討が始まっている。ここで衆院選に打って出て再び勝てば任期延長はより確実になる>

     <民進党は蓮舫代表に交代したが、支持率はあまり上昇していない。今後の経済の動向が不透明である点も考えると選挙は早い方がいい>

     <12月の日露首脳会談で北方領土問題が進展すれば、直後の選挙にプラスになる。来年夏の東京都議選と重なるのを避けたい公明党も1月なら好都合だ>

     同時に看過できないのは「1票の格差」是正を目的とする衆院小選挙区の区割り改定と絡めた声だ。

     国会で決めた小選挙区の「0増6減」に伴う区割り改定作業は来年夏までかかるとされ、その後、国民への周知期間も必要となる。改定により、自民党候補者間の調整も手間取りそうだ。ならば「区割りが確定する前に衆院選を」というわけだ。

     最大格差が2倍を超えた過去3回の衆院選での「1票の格差」について、最高裁は3回連続で「違憲状態」と判断している。それをまったく軽視していることに驚く。首相や自民党幹部は「区割り見直し前でも解散権は制約されない」と言うが、まず区割りを急ぐのが先だ。

     安倍首相は2012年秋に自民党総裁に返り咲いた。以来、安全保障関連法が国論を二分した昨年を除いて毎年、衆参の選挙が行われてきた。今夏の参院選の際には、首相は一時、衆参同日選も検討したという。そして選挙で勝てばすべての政策が信任されたとばかりに強引に国会運営を進める姿を私たちは見てきた。

     今、国民の多くが解散・総選挙を望んでいるとは思えない。首相自らの基盤強化よりも、もっと腰を据えて経済対策などに取り組んでほしいと考えている人の方が多いはずだ。

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 「シナリオ」でもあるかのよう… 首相会見に行ってきた

    2. 唐揚げ、焼きそば、瓶ビール…官邸幹部の「セコい裏技」露呈 「桜を見る会」弁明

    3. 「反社会的勢力、定義するのは困難」答弁書閣議決定 「桜を見る会」巡る質問主意書に

    4. 安倍首相公式ツイッター、ローマ教皇と誤り別のアカウントを拡散

    5. 前の客にぴったり付いて改札、4年間で80万円 キセル疑いで男を書類送検 大阪府警

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです