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余録

オーストリアの心理学者の幼児対象の実験である…

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 オーストリアの心理学者の幼児対象の実験である。−−人形劇でマクシという子が母親の買い物袋をあける手伝いをするところを幼児に見せる。マクシと母はチョコレートを<緑>の戸棚に入れた▲マクシが遊びに出ると母親はケーキを作るためチョコを棚から出し、ちょっと使い<青>の戸棚にしまう。母親が卵を買いに出ると、マクシが遊びから戻ってきた−−ここで劇を見ている幼児らに質問だ。「マクシはチョコがどこにあると思っているでしょうか?」▲3〜4歳児の大半は<青>の棚と答えた。<緑>なら、母親の行動を知らぬマクシの心の内を正しく推測できたことになる。それができたのは4歳以降だった。現実と違う他者の思い込みを推測するこの実験は「誤った信念」課題という(子安増生(こやすますお)著「心の理論」)▲同じ種類の実験をチンパンジーやオランウータンなどで行った京大野生動物研究センターの狩野文浩(かのうふみひろ)特定助教らの研究である。人間と着ぐるみの類人猿役が争っている動画を用い、それを見る類人猿の目の動きを追って他者の「誤信念」を理解できるか否かを探った▲結果を先の幼児の実験にたとえれば、40頭のうち20頭が<緑>の方を注視したということである。つまりは半数が人の3歳児よりも他者の思考を推し量る能力がある可能性を示すものだった。このような他者の心の状態を推測する心の機能は「心の理論」と呼ばれる▲他人の心をくむ人の心の働きにも、はるか昔からの進化の道のりがあったことをうかがわせる類人猿の心の理論だ。もしやそれが一転、退化へ向かってはいまいかと心配になる昨今の世相である。

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