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社説

白紙の領収書 政治家の非常識に驚く

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 世間の常識とかけはなれた「慣行」である。国会議員が他の議員の政治資金パーティーに出席した際に白紙の領収書を受け取り、自分の事務所で金額を記入する手法が常態化していた疑いが浮上している。

 高市早苗総務相は国会で法律上の問題は生じないとの見解を示したが、支払った側が領収書に金額を自分で記すことが許されるようでは「政治とカネ」をめぐる不信を強める。政党は早急に是正を図るべきだ。

 自民党国会議員による白紙領収書の問題は、参院予算委員会で共産党の小池晃書記局長が取り上げた。

 菅義偉官房長官と稲田朋美防衛相の2012年から14年の政治資金収支報告書に添付された領収書が追及された。菅氏は約270枚(約1875万円分)、稲田氏は約260枚(約520万円分)の筆跡が同じだとして、白紙の領収書に記入したのではないかと小池氏は指摘した。

 両氏は事務所での金額記入を認め「多くの出席者がいるパーティーで主催者側が短時間に領収書を作ることは難しい」などとして、事務処理上の対応だと説明した。こうした方法を他議員も用いていることをうかがわせる答弁である。

 だが、領収書はお金を受け取った側がいつ、いくらもらったかを支払った側に証明する文書だ。菅氏らは「正確に記入した」と主張するが、支払った側が書いたのでは客観的な証明にはならない。

 領収書をめぐっては、富山市議が白紙の領収書を偽造して政務活動費を架空請求した不祥事が判明したばかりだ。パーティーの白紙領収書も、裏金作りなどに悪用される懸念は否定できない。

 政治資金規正法を所管する高市総務相は国会で「領収書の作成方法を定めた規定はなく、主催者から了解を得ていれば法律上の問題は生じない」と答弁した。

 ただ、総務省の手引は、支払う側が領収書に支出目的を記入することは適当でないと指摘している。金額の記入など論外という前提だろう。さすがに、答弁翌日の記者会見で高市氏は政党による改善策を要望した。領収書の信頼性の根幹にかかわる問題という意識が乏しかったのではないか。

 こんな慣行がまかり通っているようでは、政界の常識が疑われてしまう。

 国会議員がパーティーに招かれて封筒に入れて現金を渡し、主催者は中身を確認せずその場で白紙の領収書を渡すケースも多いようだ。

 封筒の使用を自粛したり、金額を確認してあとから領収書を渡したりするような方法でも対応は可能だろう。世間の常識に、政界は早く追いつくべきだ。

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