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余録

江戸時代に吉原遊郭と呼ばれた…

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 江戸時代に吉原遊郭と呼ばれた東京都台東区千束の風俗街近くにのれんを掲げた小さな出版社がある。書店も兼ねていて国内の遊郭や赤線、歓楽街に関連した書籍や写真集、地図などが並んでいる▲「カストリ出版」代表の渡辺豪(わたなべごう)さん(39)は旅先で元遊郭の建物に出合ったのがきっかけでIT企業を辞め、出版の世界に入った。全国の元遊郭を訪ね、埋もれた資料を探し出しては復刻本を世に出している。お客さんの半数以上は20〜30代の女性で、まとめ買いをしてくれるそうだ▲渡辺さんのように1人で企画から編集、営業、販売を担う「ひとり出版社」が注目されている。背景にはパソコンで編集、製本ができるソフトの普及などで業界に精通していない個人でも参入しやすい環境が整ったことがある▲昨年刊行された「“ひとり出版社”という働きかた」(西山雅子(にしやままさこ)編、河出書房新社)にはさまざまな動機で出版社を始めた10人が登場する。1人だからこそ、自分が本当に作りたい本を読者に届けたい。そんな思いが伝わってくる▲参入を促す動きも始まった。出版物取次大手のトーハンは今春、新規出版社を支援、育成する部署を新設した。営業代行などの支援を決めた10社のうち3社が「ひとり出版社」だ。担当者は「新しいプレーヤーの登場を歓迎したい」と話す▲カストリ出版は取次を介さず、ツイッターやフェイスブックで集客して販売につなげる戦略だ。価格は高めで部数も少ないが、読者や書店に直接届けることで高い利益率を確保している。慣行にとらわれず、新たなビジネスモデルに挑戦できるのも「ひとり」の強みだろう。

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