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武田 砂鉄・評『愛と欲望の雑談』雨宮まみ、岸政彦・著

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輪郭を定めているのに 結論を出そうとはしない

◆『愛と欲望の雑談』雨宮まみ、岸政彦・著(ミシマ社/税抜き1000円)

 友人に「あの人のどこが嫌いなの?」と聞いたら、即座に「ショートケーキの上に乗っかってるイチゴを自分が食べられると思っているところ!」という答えが勢いよく返ってきて、相変わらずこの人は信用できるなと思った。イチゴを食べちゃう人、ではなく、イチゴを食べられると思っている人、というのが肝。事実よりも主観で語るのだ。

 ライターと社会学者の対談本は、岸いわく「他者を理解すること、信頼すること、そして愛することのまわりをぐるぐると巡った」本だが、この雑談の背骨は「理解」や「信頼」よりも「まわりをぐるぐると」にある。つまり、背骨らしき軸はない。

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