地元で生産され、流通する地場農産物の価値が見直されるようになった。かつてこれらを積極的に扱う農産物直売所では低価格を切り札にしていた。農協や卸売市場に販売を委託する流通と違い、農家自ら価格を決められるのにもかかわらず、野菜は軒並み100円という店が多かった。「田舎では安くないと売れない」という出荷農家のあきらめ、年金を受給している高齢農家や兼業農家には「採算がとれなくても売れればよし」という雰囲気があった。だが近年、価格より味や栽培方法などで勝負しようとする農家、価値に見合う価格をつけて売る直売所が目につくようになった。
小中学校の給食食材に地場農産物を使う自治体も多い。産地を問わず価格を優先して調達する場合と比べ値段は多少高いが、「地元産を食べて育ってほしい」という農家や教育関係者の思いを自治体が受けて予算を追加したという話をよく聞く。農家が運営するレストランやカフェの人気店は決して価格で勝負していない。提供する料理やおいしさに込められた農家の思いに共感して固定客を増やしている。
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