メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

的川博士の銀河教室

417 液体燃料ロケットのパイオニア−−ゴダード/1

56メートルの飛行ひこう新時代しんじだい幕開まくあ

 宇宙飛行うちゅうひこう理論りろんはツィオルコフスキーによって確立かくりつされました。人類じんるい宇宙うちゅう到達とうたつする手段しゅだん理論的りろんてきったのです。つぎは、宇宙うちゅうくことのできるロケットを実際じっさいつくること。ツィオルコフスキーとおなじように宇宙うちゅうをめざすこころざしいだいて、実際じっさい製作せいさくげてみせた最初さいしょひとは、アメリカのロバート・ハッチンソン・ゴダードです。

     ゴダードのおさなころかたまえに、かれ世界せかい最初さいしょげた液体燃料えきたいねんりょうロケットのだいごう奇妙きみょう姿すがたてください(写真しゃしん)。「これがロケットか?」とうたがいたくなるような設計せっけいです()。一番下いちばんしたにガソリンをれた燃料ねんりょうタンク、そのうえ液体酸素えきたいさんそのタンク。そこからパイプがうえび、燃焼室ねんしょうしつとノズル、つまりエンジンはいちばんうえにあります。これは、機体全体きたいぜんたい重心じゅうしんをエンジンよりしたにして、飛行ひこう安定あんていはかったのでしょうね。

     これをゴダードがげたのは、1926ねんがつ16にち

     人類じんるいによってなが記憶きおくされることになるこの、アメリカ・マサチューセッツしゅうオーバーンの農場のうじょうは、一面雪いちめんゆきおおわれ、いつになくつよかぜいていました。たかやく2メートルの奇妙きみょう枠組わくぐみの発射台はっしゃだいにゴダード苦心くしん液体燃料えきたいねんりょうロケットが鎮座ちんざしています。全長ぜんちょうやく3メートル。そばにはかぜよけのいたえつけられています。

     点火てんか点火棒てんかぼうった助手じょしゅいそあしでそのはなれました。しばら発射台はっしゃだいうごかなかったロケットは、やがてゆっくり上昇じょうしょうはじめました。と、たちまち速度そくどげながらかたむき、あっというまにえがいて地上ちじょう落下らっかしていました。飛行時間ひこうじかん2.5びょう最高高度さいこうこうど12メートル、到達距離とうたつきょり56メートル。これが史上初しじょうはつ液体燃料えきたいねんりょうロケットの飛行ひこうデータです。

     新聞しんぶん世間せけんもこの貧弱ひんじゃく飛行ひこうをあざけりました。しかし、その20ねんほどまえのライト兄弟きょうだいによる「36メートル」の動力飛行どうりょくひこう同様どうように、ゴダードの「56メートル」も、かがやかしい時代じだいまくける巨大きょだい前進ぜんしんだったのです。この、ついに人類じんるい宇宙うちゅうへの輸送手段ゆそうしゅだん実際じっさい獲得かくとくしたのです。

     ゴダードのその日記にっきにはこうかれています。「それはさながら魔術まじゅつのようだった。ロケットは案外大あんがいおおきなおとほのおさずに上昇じょうしょうしてった。“どおしかったよ。もうってもいいね”とわたしかたりかけているかのようだった」

     この農場のうじょうは、現在げんざいはゴルフコース。人類初じんるいはつ液体燃料えきたいねんりょうロケットの発射地点はっしゃちてん記念きねんして、たかさわずか60センチメートルほどの記念碑きねんひてられています。(つづく)


     ★的川泰宣まとがわやすのりさん

     ながらく日本にっぽん宇宙開発うちゅうかいはつ最前線さいぜんせん活躍かつやくしてきた“宇宙博士うちゅうはかせ”。現在げんざい宇宙航空研究開発機構うちゅうこうくうけんきゅうかいはつきこうJAXジャクサA)の名誉教授めいよきょうじゅYACヤック顧問こもん、「KU−MAクーマ名誉会長めいよかいちょう、「はまぎんこども宇宙科学館うちゅうかがくかん館長かんちょうつとめる。


    日本宇宙少年団にほんうちゅうしょうねんだん(YOUNG ASTRONAUTS CLUB−JAPAN)

     宇宙好うちゅうずあつまれ!! http://www.yac-j.or.jp

    NPO法人ほうじん ども・宇宙うちゅう未来みらいかい(KU−MAクーマ

     宇宙教育うちゅうきょういくサポーターあつまれ!! http://www.ku-ma.or.jp

    おすすめ記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. ウソだった…宮迫博之ら11人を謹慎処分「2万〜3万円のギャラの芸人も 最初から全てを話すべきだった」(スポニチ)
    2. わいせつ動画投稿疑い 長崎県職員の22歳女を逮捕 京都府警
    3. 松本人志、闇営業の実態解明は“吉本に任せる”(スポニチ)
    4. 深田恭子 「ルパンの娘」“泥棒スーツ”姿披露 瀬戸康史らと決めポーズ サカナクションが主題歌
    5. 「イージス引き受けないのは非国民との批判、県内外から」秋田の佐竹知事が明らかに

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです