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しあわせのトンボ

路地を歩けば=近藤勝重

 兄からたまに電話をもらう。年齢の話になると、たいていこんな言葉が返ってくる。

 「若いなあ。まだ頑張れる年や」

 兄は郷里(愛媛県新居浜市)に住んでいて、年はぼくよりひと回り上の80過ぎである。

 その日の電話には「ただし」が付いて、こう続いた。「うかうか過ごすと、10年なんてあっという間やけどな」

 何年か前の電話でもぼくの年を聞いて、同じようなことを言っていた。電話のたびにしみじみとした感じが増すのは、その間に過ぎた歳月のせいだろう。

 兄との電話は老いていく体の話になり、ぼくは日々の散歩の効用を口にした。50前に自律神経を悪くして、…

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