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風評被害

福島産購入ためらう割合、下げ止まり

消費者庁の風評被害調査の推移

 東京電力福島第1原発事故後、福島県が農産品の風評被害対策として実施している放射性物質検査などの認知度が低下傾向にあることが消費者庁の調査で分かった。福島産の食品購入をためらう人の割合も下げ止まりの傾向がみられ、県は「福島への関心が薄れ、風化が進んでいるのではないか」と分析している。【曽根田和久】

 消費者庁は2013年以降、2、8月の年2回、東日本大震災の被災地と震災前に被災地産の食品の出荷が多かった11都府県を対象に、風評被害に関する消費者意識を調査している。5日に発表された最新の調査(8月)には、20〜60代の男女約5000人がインターネットで回答した。

 食品から国の基準値を超える放射性物質が検出された場合、出荷が制限されることを知っている人は43.8%で、調査を始めた3年半前より15ポイント減った。

 福島県などで実施されている食品の放射線モニタリングや福島産米の全量全袋検査などが実施されていることを知らない人は34.8%で、当初よりも12.4ポイント増えた。事故発生から5年以上たち、県が実施する安全対策の認知度が落ちている現状がうかがえた。

 福島産の食品購入をためらう人の割合は16.6%で調査開始当初(19.4%)よりは減ったものの、15年以降は15%台後半〜17%台前半で、横ばいの状況が続いており、下げ止まり傾向がみられた。

 消費者庁は、これまでに8回実施した調査について、「多くの設問で増減の傾向が一服した」と分析。「食品と放射能に関する消費者の関心が低下している」と指摘している。

 県による風評対策の認知度が下がる一方で、福島産の食品購入をためらう人の割合が固定化してきたことについて、県消費生活課の担当者は「福島以外では、風評対策の取り組みについての情報を知る機会が少ないのではないか」と話す。

 今年度、県は約1億6000万円かけて首都圏の消費者が県内の生産地を巡るモニターツアーなどを実施。他にも、約6億円を投じて人気グループ「TOKIO」が出演する県産品のCMを首都圏や関西で流したり、ウェブサイトでモニタリング検査の情報を公表したりしている。

 県産品の安全性をアピールするための取り組みは続いており、県の担当者は「参加者の口コミが福島の農産物をためらう人たちに伝われば」と期待する。

 一方、JA福島中央会組織農政部の羽根田権成次長は「安全・安心の確保を徹底していくしかない。だが、それだけでは理解されない部分もある」と風評対策の難しさを強調する。

 県内各JAは、購入をためらう人向けに安全性確保についての情報発信は続けつつも、ここ数年は「おいしさ」のアピールにも力を入れている。安全を前提にしながらも、産地にこだわらない購買層を狙って消費拡大につなげたいとの考えだ。

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