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「4分33秒」は米国のジョン・ケージ作曲の…

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 「4分33秒」は米国のジョン・ケージ作曲の最も名高い現代音楽である。表題の時間、演奏者が何も演奏しないという作品で、発表当時論争の的になったのはいうまでもない。その前衛音楽の旗手ケージはキノコの研究家としても有名だった▲ニューヨーク菌類学会の最初の会員の一人でもある彼は、来日した折に日本の菌類学者に「キノコ好きの音楽家は珍しい」といわれ、こう答えた。「手元の百科事典を見てください。マッシュルーム(mushroom)とミュージック(music)は隣り合わせです」▲そのケージにして「キノコに詳しいというのは無駄なこと、キノコは人間の知識や分類を裏切りますから」だそうな。そしてふだんは火を通して食べていたキノコを生で食べて中毒になり、12時間も苦しんだ体験を明かしている(飯沢耕太郎(いいざわこうたろう)著「きのこ文学大全」)▲先月の雨の多さのおかげか、この秋はキノコの生育がいいらしい。各地から毒キノコによる中毒のニュースが相次いで伝えられる。ヒラタケと間違えてツキヨタケ、シメジと間違えてクサウラベニタケを食べたケースなどが報じられたが、慣れた人も間違うのである▲色や裂け方による手軽な毒キノコの見分け方はみな迷信という。つまりは素人は手を出さずに観察して楽しむのがいい。一方でキノコ採りに山に入った人の遭難や、クマとの遭遇が多いのもキノコの当たり年のせいか。ことクマのエサのドングリは不作のようである▲「誰が叫ぶ声の木玉(こだま)に鳥鳴きて奥山淋し木の子狩る頃」は正岡子規(まさおかしき)の連作「菌狩(たけがり)」の一首である。深まる秋の山の音とキノコのセッションというべきか。

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