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的川博士の銀河教室

418 液体燃料ロケットのパイオニア−−ゴダード/2

さくらうえかためた決意けつい

 世界最初せかいさいしょ液体燃料えきたいねんりょうロケットをげたアメリカのロバート・ゴダード(写真しゃしん1)も、ツィオルコフスキーとおなじく、どものころ物理学ぶつりがく数学すうがく熱中ねっちゅうし、小遣こづかいはすべて化学実験かがくじっけんにつぎんでしまう科学少年かがくしょうねんで、H・G・ウェルズやベルヌのSFエスエフ興奮こうふんしました。

     1899ねんのあるははたのまれて、えだりそろえるために裏庭うらにわさくらのぼっていたゴダードは、ふと火星かせいまでんでける装置そうちつくれないものだろうかとかんがはじめました。かれははがこの長時間ちょうじかん空想くうそうをストップしなかったので、このとき以来彼いらいかれ宇宙飛行うちゅうひこう研究けんきゅう一生いっしょうをささげる決意けついをしたそうです。17さいあきのことでした。

     大学だいがく在学中ざいがくちゅうからロケットの重要性じゅうようせい注目ちゅうもくしていたゴダードは、まず固体燃料こたいねんりょうのエネルギー効率こうりつはか実験じっけん開始かいし、1909ねんには、液体燃料えきたいねんりょう研究けんきゅうはいり、液体酸素えきたいさんそ液体水素えきたいすいそわせが理想的りそうてきであるという結論けつろんたっしました。

     かれは、ツィオルコフスキーとは独自どくじに、ロケットの運動うんどう多段式ただんしきロケットなどについて数多かずおおくの成果せいかげました。第一次世界大戦だいいちじせかいたいせん(1914〜18ねん)ではおも固体燃料こたいねんりょうロケットの開発かいはつたずさわりましたが、大戦たいせん終了後しゅうりょうご大学だいがくでの研究けんきゅうもどり、1919ねんに、それまでの研究成果けんきゅうせいかをまとめて『高高度こうこうど到達とうたつする方法ほうほう』という題名だいめい著作ちょさく発表はっぴょうしました。このほん末尾まつびで、ゴダードは、けっしてかれむねらなかった問題もんだいつきへの飛行ひこうあつかいました。それにかんして面白おもしろいエピソードがあります。

     かれは、ロケットならつきへも到達とうたつできることをべたのですが、その部分ぶぶん新聞しんぶんにセンセーショナルにてられ、「月男つきおとこ」とあざけられ、「誇大妄想こだいもうそうにとりつかれた変人へんじん」にされてしまいました。当時とうじのニューヨーク・タイムズ(写真しゃしん2)に、「ロケットは空気くうきとばしてぶのに、真空しんくう宇宙うちゅうにはとばす空気くうきがないのでべるはずがない」と冷笑れいしょうしている社説しゃせつがあります。

     みなさん、この新聞記事しんぶんきじ間違まちがいがかりますか。ただし、ゴダード自身じしん言動げんどうにもしばしば変人へんじんられる要素ようそがあったことはたしかなようです。なにしろかんがえに没頭ぼっとうするあまり、大学だいがく廊下ろうかかさをさしてあるいていた、というエピソードがあるくらいですから。さあ、このニューヨーク・タイムズをめぐるはなし顛末てんまつ次回じかいに。(つづく)


     ★的川泰宣まとがわやすのりさん

     ながらく日本にっぽん宇宙開発うちゅうかいはつ最前線さいぜんせん活躍かつやくしてきた“宇宙博士うちゅうはかせ”。現在げんざい宇宙航空研究開発機構うちゅうこうくうけんきゅうかいはつきこうJAXAジャクサ)の名誉教授めいよきょうじゅYACヤック顧問こもん、「KU−MAクーマ名誉会長めいよかいちょう、「はまぎんこども宇宙科学館うちゅうかがくかん館長かんちょうつとめる。


    日本宇宙少年団にほんうちゅうしょうねんだん(YOUNG ASTRONAUTS CLUB−JAPAN)

     宇宙好うちゅうずあつまれ!! http://www.yac-j.or.jp

    NPO法人ほうじん ども・宇宙うちゅう未来みらいかい(KU−MAクーマ

     宇宙教育うちゅうきょういくサポーターあつまれ!! http://www.ku-ma.or.jp

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