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漫画で解説

オートファジーって?の巻

「父」大隅さんにノーベル賞 酵母の観察から分かった生物の謎

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東京工業大学栄誉教授、大隅良典さんのノーベル医学生理学賞受賞が決定しました。 日本の研究者のノーベル医学生理学賞受賞は大隅さんで4人目になります。 大隅さんが解明した「オートファジー」とはどういう仕組みなのでしょうか? ギリシャ語でオートは「自分」、ファジーは「食べる」という意味。 栄養状態が悪化し飢餓に陥った細胞は、自身のたんぱく質を分解、再利用して新しい細胞を作るのです。
オートファジーと命名したのはベルギーのド・デューブ博士で、1963年のことです。 大隅さんは88年、酵母の「液胞」を研究し始めました。 当時の研究者の間では「細胞内のごみをためる袋」という程度の認識しかなかったそうです。 見たことのない小さな粒ができ激しく踊るように動いているのを見て「きっと大事なことなのではないか」と直感したそうです。 そこで、酵母の遺伝子に傷を付け飢餓状態に置いて観察する作業を5000回以上繰り返したそうです。 そして、ついに飢餓状態でもオートファジーが起きない酵母の作成に成功。 作用に関係する14の遺伝子を特定し、93年に論文で発表しました。 このため「オートファジーの父」と呼ばれているそうです。
オートファジーが酵母だけでなく動物に共通の現象と分かると、関連研究は爆発的に増えました。 その中には、例えば受精直後の胚や哺乳類の新生児に関するものがあります。 おなかの中の胎児はへその緒を通じて母親から栄養をとっていますが、出生すると飢餓状態に陥ります。 お母さんのお乳やミルクを飲むまでの間、自分のたんぱく質を分解して栄養を維持するのです。 オートファジーは身体の基本的な仕組みにも関わっています。 人間は、1日に食事からとるたんぱく質の量より体内で合成されるたんぱく質の量の方が多いのです。 体内のたんぱく質を分解してリサイクルしているというわけですね。
オートファジーが働かないとどうなるのでしょうか? 細胞内で作られるたんぱく質の品質管理ができなくなります。 従って、細胞内に異常なたんぱく質が蓄積し起きる疾患に対して、オートファジーを活性化させることで発症を遅らせる効果が実験で報告されています。 例えばアルツハイマー病、パーキンソン病などです。 逆にオートファジーを邪魔することで、がん細胞の増殖を抑える効果が期待されているのです。 やはり基礎研究は重要なんですね。 大隅さんはそれでもまだ3割しか解明できていないと言っているそうです。

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