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荒川洋治・評 『脂肪の塊/ロンドリ姉妹』=モーパッサン・著

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 (光文社古典新訳文庫・994円)

中編小説の道を開く物語

 目をいっぱいに開いて読む。また読み返す。「脂肪の塊」はそんな作品だと思う。

 一九世紀フランスの文豪ギィ・ド・モーパッサン(一八五〇−一八九三)は、名作『女の一生』など長編の他に、三〇〇を超える中・短編を書いた。そこから「脂肪の塊(ブール・ド・スュイフ)」「ロンドリ姉妹」など一〇編を収める。モーパッサンの文学に新たな光をあてる選集の第一弾。

 中編「脂肪の塊」(一八八〇)の文庫には『脂肪の塊』(水野亮訳・岩波文庫)『脂肪のかたまり』(高山鉄男訳・同)『脂肪の塊・テリエ館』(青柳瑞穂訳・新潮文庫)があるが、何度読んでも濃厚な印象を放つ。

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