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的川博士の銀河教室

419 液体燃料ロケットのパイオニア--ゴダード/3止

つきへとみちびいた孤独こどくたたか

 アメリカの新聞しんぶん「ニューヨーク・タイムズ」から冷笑れいしょうされたゴダードは、このあとできるだけダンマリ主義しゅぎをとるようになり、液体えきたいロケット・エンジンのサブシステムについての実験じっけん孤独こどくかさね、推進剤供給すいしんざいきょうきゅうシステム、ノズルの最適形状さいてきけいじょう燃焼室ねんしょうしつやノズルの材料ざいりょうなどを懸命けんめい工夫くふうしていったのですが、1929ねんげたロケットがすさまじいごうおんはっし、それを飛行機ひこうき墜落事故ついらくじこ勘違かんちがいした住民じゅうみん通報つうほう消防車しょうぼうしゃけつけるさわぎとなってしまいました。

     この事件じけんが、れいによって皮肉ひにくたっぷりに宿敵しゅくてき「ニューヨーク・タイムズ」に掲載けいさいされたのですが、ゴダードは、そのロケット開発かいはつにラストスパートをかけ、つまのエスターをふくむわずかな協力者きょうりょくしゃとともに孤独こどくたたかいをはじめました。以後いご1941ねんまでつづけられた開発かいはつ努力どりょくは、人類じんるい技術開発史上最ぎじゅつかいはつしじょうもっと素晴すばらしい「一匹狼いっぴきおおかみ」の苦闘くとうでした。

    見事みごとえがいて

     1935ねんがつ28にち史上初しじょうはじめてジャイロスコープで制御せいぎょされたロケットが、完璧かんぺき経路けいろ修正しゅうせいをしながら、ニューメキシコのそら見事みごとえがいて飛翔ひしょうしました。1926ねんにゴダードのちからそらかってった人類じんるいは、ふたたかれのおかげで、より安定あんていした一歩いっぽ宇宙うちゅうしたのです。あの奇妙きみょうだったゴダードのロケットは、いま度重たびかさなる変貌へんぼうげ、我々われわれ反射的はんしゃてきあたまかべるロケットの原形げんけいともうべきかたちになっていました(写真しゃしん1)。

     ゴダードは1945ねん8月10がつとおか、その62さい生涯しょうがいじました。ゴダードは、ノズル、燃焼室ねんしょうしつ、ポンプ、姿勢制御しせいせいぎょシステムなど数百件すうひゃっけん特許とっきょており、アメリカ政府せいふは1960ねんに、アポロ月計画つきけいかくのためにゴダードのロケットにかんする特許とっきょ214けんげ、ゴダードのつまなどに100まんドルを支払しはらいました。かれ技術ぎじゅつは、その死後しごになってはじめて、彼自身かれじしんわかいころにあこがれたつきへのたびに、直接的ちょくせつてきかたちかされたわけです。

     あのニューヨーク・タイムズの一件いっけんはどうなったのでしょうか。1969ねん、アポロ11ごう月着陸つきちゃくりく目前もくぜんひかえた7がつ17にち、ニューヨーク・タイムズは49年前ねんまえ発表はっぴょうしたゴダードについての社説しゃせつ撤回てっかいし、ゴダードの功績こうせき絶賛ぜっさんし、同紙どうしは「作用さよう反作用はんさよう法則ほうそく間違まちがって解釈かいしゃくしていた。あやまちを謝罪しゃざいする」との自己批判じこひはん社説しゃせつ発表はっぴょうしたのでした(写真しゃしん2)。(かん


     ★的川泰宣まとがわやすのりさん

     ながらく日本にっぽん宇宙開発うちゅうかいはつ最前線さいぜんせん活躍かつやくしてきた“宇宙博士うちゅうはかせ”。現在げんざい宇宙航空研究開発機構うちゅうこうくうけんきゅうかいはつきこうJAXAジャクサ)の名誉教授めいよきょうじゅYACヤック顧問こもん、「KU-MAクーマ名誉会長めいよかいちょう、「はまぎんこども宇宙科学館うちゅうかがくかん館長かんちょうつとめる。


    日本宇宙少年団にほんうちゅうしょうねんだん(YOUNG ASTRONAUTS CLUB-JAPAN)

     宇宙好うちゅうずあつまれ!! http://www.yac-j.or.jp

    NPO法人ほうじん ども・宇宙うちゅう未来みらいかい(KU-MAクーマ

     宇宙教育うちゅうきょういくサポーターあつまれ!! http://www.ku-ma.or.jp

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