重い木の扉を押し開けると、にぎやかな話し声が聞こえてきた。100年以上前に作られた大理石の円テーブルと木の椅子が置かれた店内で、人々は顔がくっつきそうな距離で笑い合っている。椅子に腰かけるとウエーターが話しかけてきた。メニューは出てこない。ここは「会話しながら」注文を決める、昔ながらの社交場なのだ。
パリと並ぶカフェ文化の街ウィーン。旧市街にある「カフェ・ハベルカ」は、往年のカフェの姿を今に伝える。1939年にレオポルド・ハベルカ、ヨゼフィーネ・ハベルカ夫妻が創業。レオポルドさんは第二次大戦に徴兵され、ロシアなどに遠征した。当時ナチス・ドイツに併合されていたウィーンは連合軍の度重なる空襲を受け、中心部は大きく破壊されたが、ハベルカは奇跡的に無傷だった。夫妻はカフェの再開を決意した。
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