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ニッポン瞬・彩

北斎を想いて(神奈川県三浦市)

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写真・キャプション 石川真士

 相模灘の波とともに育った。病を得て故郷に戻り、夕日を眺めていて波越しの富士山に出合った。海を従え、ときに優しくほほ笑み、ときに荒々しく見る者を寄せ付けない威容。神奈川県三浦市の写真家、石川真士さん(63)は、葛飾北斎の浮世絵を現代によみがえらせる“今北斎”だ。

月下の出漁

真冬の早朝、満月と紅富士を背景に、波を蹴散らして漁場に急ぐ漁船の姿。カモメが舞った瞬間を捉えた

松翳(しょうえい)富士

富士に沈む夕日とトワイライトの空を背景に、松のシルエットで縁取ることにより、浮世絵のような世界を表現した

至福の静寂

空と水面(みなも)の藍色のグラデーションと、富士のシルエットを包み込む金色のグラデーションが浮世絵のように表現できた。帆柱、逆さ富士、雲の動き、ブイに止まるアオサギ、すべてがバランスよく、フィルムの色調の美しさに感動したカット

燃える世界

年に一度あるかないかの、海面まで真っ赤に染まった瞬間

藍よりいでて

夏の夕暮れ、金とベロ藍(紺青=こんじょう)で彩られた浮世絵風景画のような世界を表現した。欧米人、アジア人に共通して人気のある作品

真ん丸ダイヤモンド富士

三浦半島からのダイヤモンド富士の魅力は、太陽の直径が富士山頂上の幅とほぼ同じなので、すっぽりはまること。ありきたりのダイヤモンド富士を避け、真ん丸太陽を真上に乗せた。太陽はフレアになってしまうことが多く、真ん丸を撮るのは想像以上に難しい。手前は江の島

岩礁富士

雲海のような表情になることをイメージして、波をかぶり、レンズを拭きながら撮った

立石夕景

「一つの画面に暖色と寒色を配し、絵画のような世界にまで昇華させた技量は大したものだ」(神奈川県美術展特選選評)

 

何度となく通う立石だが、雲の位置や動き、暖色と寒色の配置、波をかぶった岩場の適度な表情など、このときほど絵画的状況に立ち会えたことはない。それは無欲で初めて立石を撮った日だった

怒濤(どとう)

雲がかかった紅富士を背景に、逆風でしぶきを上げる大波を捉えた

黄金の夕焼け

ドラマチックな夕空を映す海面に、巻き毛のような白い波を表現した

撮影者の横顔

 石川真士(いしかわ・まこと)さんは1953年4月、神奈川県三浦市生まれ。宝石販売業をしていた40代はじめに体調を崩し、失意の中、三浦の海辺からの夕日の美しさに改めて感動してカメラを始めた。三浦半島の自然を毎日撮影しているうちに、年に数十日しか見られない海越しの富士山に強く引き寄せられる。第5回アマテラス展グランプリ、神奈川県美術展特選など受賞後、写真家となる。近年は、海を前景とした海景富士写真を、画材紙や和紙にプリントして浮世絵のような風合いを表現し、「北斎を想いて」のタイトルで写真展を開いている。

 写真展「北斎を想いて」は12月29日~2017年1月4日、三浦海岸のホテル「マホロバ・マインズ三浦」で開催される。また、第5回アマテラス展グランプリ作品は「第20回AMATERAS展」(11月4~10日=東京・六本木の富士フイルムフォトサロン東京、12月23~29日=大阪・堺筋本町の富士フイルムフォトサロン大阪)で展示される。

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