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井波律子・評 『敗北力-Later Works』=鶴見俊輔・著

 (編集グループSURE・2376円)

「自分の中の態度」に根差す「思想」

 著者は、二〇一一年十月、脳梗塞(こうそく)で倒れ、以来、さまざまな病気と向き合いながら、二〇一五年七月、九十三歳で亡くなった。本書は、四年近くつづいた不如意な病中生活のなかで、倒れる前に発表したエッセイや講演等々二十三編を著者みずから編集した「著者自編」と、雑誌などに発表されたが、著書に収録されなかった十二編を収録した「自著未収録稿」の二部から成る。このほかに、著者が静かに語りかけてくるような、未発表詩稿五編が挿入され、著者の晩年の貌に豊かな膨らみを与えている。

 本書の中核をなすのは、「著者自編」に収録された文章である。「なれなかったもの」「敗北力」「日本人は状況から何をまなぶか」「学校の外」「身ぶり手ぶりから始めよう」等々、二十三編の文章にはさまざまな対象が取り上げられているが、その底には共通して、著者が長い歳月をかけて練り上げ、血肉と化した主調音が響いている。

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