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社説

離婚後の養育 子ども本位の仕組みに

 離婚などで子の親権者になった親は、一方の親に対して引き渡しを求め裁判を起こすことができる。ただし、裁判所が引き渡しを命じ、判決が確定しても子と同居する親が応じないケースがある。

     最終的には裁判所の職員である執行官が強制執行に向かうが、引き渡し現場でトラブルになることがあるという。法律に子の引き渡しに関する具体的な規定がないのが一因だ。

     そのため、確実に引き渡すためのルールについて、法相の諮問機関である法制審議会が今月中旬から検討を始める。

     両親の板挟みになる子の心を傷つけないような配慮が必要だ。これまでの引き渡し事例などを参考にしながら、円滑に子を引き渡せる仕組みを模索すべきだろう。

     法治国家である以上、確定判決に従うのが道理だが、子との生活歴などさまざまな要因がからむだけに、解決は容易ではない。

     最高裁によると、昨年は裁判に勝って強制執行を申し立てた97件のうち、引き渡しがされたのは27件だった。執行官と親がもみ合ったり、何時間もかけて説得しても応じなかったりした例があった。過去には、子が同居する親から「離れない」と話し、断念したケースもあるという。

     法に規定はないものの、執行官が引き渡しを求めに行く場合、現在も一定の配慮がされている。

     同居する親がいない場所から子を勝手に連れ戻せば感情的なトラブルを生みかねない。そのため、同居する親の住居で、親が一緒にいる時に訪ねるのが原則だ。

     子に配慮し、児童心理の専門家を可能な限り同行させてもいる。

     国際結婚が破綻し、一方の親が無断で子を連れて出国した場合、いったんは元の国に戻すという国際的なルールを定めたのが「ハーグ条約」だ。日本も2014年に加入している。そこでも、子を力ずくで連れ戻すことはできないルールだ。

     親が引き渡しを争う子たちの大半は10歳以下で、3~4歳が多い。目の前で引き渡しをめぐり大人たちが争うのはショックだろう。

     子の心身に悪影響を及ぼす当事者の言動を抑制するようなルールを法律で明文化する必要がある。

     ハーグ条約では、裁判で引き渡しが決まっても応じない場合、制裁金を払わせる「間接強制」という手段がまずとられる。金銭で引き渡しを促し、応じない場合に強制執行に移行するものだ。

     速やかな解決にならないという反対意見もあるようだが、穏便で円滑なかたちで解決を図っていくためには、同様の仕組みの導入も選択肢の一つではないだろうか。

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