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インタビューシリーズ・番組論

/2 NHK 大河ドラマ、時代の幅広げる可能性

 NHKは看板ドラマの連続テレビ小説(朝ドラ)「べっぴんさん」、大河ドラマ「真田丸」の視聴率が好調。遠藤理史・制作局ドラマ番組部部長に戦略を聞いた。

     --朝ドラ「とと姉ちゃん」の平均視聴率(関東地区、ビデオリサーチ調べ)が22・8%と今世紀3位、前作「あさが来た」は23・5%で1位。連続テレビ小説が好調です。

     制作者はいつも絶対に面白いと思って作っているが、残念ながらうまくいく年とそうでない年がある。朝ドラは長い戦略を持って作っているわけでは実はない。毎回、新しいことをやりつつ、新し過ぎないことも必要だ。こういうやり方をしたからうまくいったと感じられるようにはなっていないが、ドラマ全体を差配する立場としては、過去に失敗した経験を後輩にアドバイスすることはある。

     --2010年上期の「ゲゲゲの女房」から15分繰り上げ、午前8時スタート。転換点となりました。

     慎重に調査し、朝ドラを見るタイプの視聴者が確実にいるとの結論に達し、繰り上げに踏み切った。

     --前作の大河ドラマ「花燃ゆ」の平均視聴率が12・0%と低迷した時、民放のドラマが並ぶ午後9時に繰り下げた方がいいという議論が出ました。変更の可能性はありますか。

     選択肢としてはあるが、日曜午後8時より9時の方が視聴者がついているという考えは感覚的なものでしかない。今のデータから判断すると「ない」。

     --大河ドラマの舞台は戦国時代から明治維新までが大半。時代の幅を広げる考えは?

     当然ある。大河ドラマが始まった1963年は昭和が「現代」だった。しかし今、昭和40~50年代はロケーション場所の確保も含め、もはや時代劇を作るのと手間は変わらない。例えば朝ドラが始まった1961年当時の視聴者が太平洋戦争の場面を見た時の感慨は、今の視聴者が昭和50年代を見るのと同じだと思う。大河も近現代の方向に広がるのは不自然ではない。一方、毎年のように卑弥呼も提案がくる。わからない時代だから面白く作るチャンスがあるという考え方もある。

     --10年前に比べ連続ドラマの本数が増えました。

     BS契約者を増やす方針の下、オリジナルドラマ枠を作ることになった。2011年春以降、「プレミアムドラマ」「BS時代劇」「プレミアムよるドラマ」と3枠増えた。

     --結果、外部の制作会社との共同制作も目立つ。

     枠が増えた段階で、本体だけでは作り切れない分量になった。今はBSのプレミアムドラマはほぼ通年、外部の制作会社が作っている。以前は民放との仕事が多かった会社が、NHKを選択肢に入れてくれる傾向が強くなった。うちは全て企画競争。いい企画を出した会社を採用する形ができている。【北林靖彦】=つづく

    総合5枠、BSで3枠

     NHKは現在、総合テレビで大河ドラマ、連続テレビ小説、ドラマ10(金曜午後10時)、土曜時代劇(午後6時10分)、土曜ドラマ(午後10時)の5枠で連続ドラマを放送。BSを含めると8枠。このほか、ラジオ第1放送とFMでも合計3枠でドラマを放送している。

     2012年度からは地方のBS視聴者獲得を目指し、BSの予算で制作する単発の「地域ドラマ」をスタートさせている。


     ■ことば

    大河ドラマの時代

     これまでで最も古い時代を扱ったのは、平安時代中期を舞台にした「風と雲と虹と」(1976年)。最も新しいのは、戦後から86年ごろまでが描かれた「いのち」(86年)。


     ■人物略歴

    遠藤理史・制作局ドラマ番組部部長

     東京都出身。1987年入局。プロデューサーとして朝ドラ「ちりとてちん」などを手がけた。51歳。

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