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Interview

津村記久子さん(作家) 風が通る世界を 短編小説集『浮遊霊ブラジル』刊行

津村記久子 作家=東京都千代田区で2016年10月28日、鶴谷真撮影

 人生は孤独で寄る辺ない。でも目を凝らせば喜びがある。読み終わってそう感じた。作家、津村記久子さんの7編から成る短編小説集『浮遊霊ブラジル』(文芸春秋)である。

 冒頭の「給水塔と亀」の主人公は、会社を定年退職した男。結婚しておらず身よりもない。帰郷してアパートに入居する日の出来事をさらりと描く。「生きた証しが財産や家族じゃなくて、もっと広くて風が通る世界を書きたかった」。男の幼い日の記憶には給水塔がある。いつも見上げていたのだ。<私は、ああいうものを建てたい、と漠然と思って、水周り関連に強いという建設会社に入社した>

 男は何も持たずに帰ってきた。通販で買った自転車に乗る。ただ「風景」があるばかり。「癒やしとは言いたくないが、場所の力にあずかって生きてもいいんじゃないでしょうか」。お金や人生経験、地縁血縁の先にある緩やかな「つながり」を探る。本作は2013年に川端康成文学賞を受賞した。

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