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的川博士の銀河教室

422 ロケット本格開発の先駆け--オーベルト(1)

青年たちに勇気と希望

 ちょっとおやすみした宇宙うちゅうのパイオニアの3人目にんめはなしをしましょう。ツィオルコフスキーが理論りろんて、ゴダードが実験じっけん確認かくにんした宇宙うちゅうへのもの、ロケット--つぎ段階だんかいはいよいよ本格的ほんかくてき開発かいはつでした。その本格的ほんかくてき開発かいはつのためには、時代じだい、あるいは政府せいふがどれほど熱意ねついをもつかということが肝要かんようです。ところが、時代じだいはまだ宇宙うちゅう志向しこうしておらず、ただナチスのドイツだけが、やがて異常いじょう熱意ねついでロケットをもとめることになりました。

     その先駆さきがけとなったのはヘルマン・オーベルト。1894ねんがつ25にち当時とうじのハンガリーりょうであったトランシルバニアのヘルマンシュタットというまちまれました。かれまれたとき、ツィオルコフスキーは36さい、ゴダードは11さいでした。オーベルトは、3にんのパイオニアのなかでただ一人ひとり宇宙開発うちゅうかいはつ開花かいかする時代じだい体験たいけんし、人類じんるい月着陸つきちゃくりくをも目撃もくげきしました。

     2ふたり先輩せんぱい同様どうように、オーベルト少年しょうねん写真しゃしん1)のこころ宇宙うちゅうという刺激しげき最初さいしょあたえたのは、19世紀せいき偉大いだいなSF作家さっかたち、とりわけジュール・ベルヌでした。ちち希望きぼうもあって医学いがくみちあゆはじめたのですが、宇宙うちゅうへの情熱じょうねつめやらず、物理学ぶつりがく専攻せんこうします。第一次大戦だいいちじたいせんすこまえごろには、オーベルトは戦闘用せんとうようロケットに関心かんしんしめし、1917ねんにはドイツ国防省こくぼうしょう液体燃料えきたいねんりょう長距離爆撃ちょうきょりばくげきミサイルの開発かいはつ提言ていげんしています。

     1923ねん有名ゆうめいな1作目さくめほん惑星空間わくせいくうかんへのロケット」が出版しゅっぱんされました。オーベルトのこのほんは、本文ほんぶんがわずか92ページというものでしたが、圧力あつりょく人体じんたいへの影響えいきょうなどまでろんじており、ロケットによる宇宙飛行うちゅうひこうのあらゆる段階だんかいふくんでいました。ロケットが真空しんくうでも作動さどうできること、ロケットで人工衛星軌道じんこうえいせいきどう達成たっせいできること、ロケットの設計せっけい、ロケットによる上層大気じょうそうたいき観測かんそく推進剤すいしんざいとしてアルコールや水素すいそすぐれていることなどが、きわめて順序じゅんじょよくべられています。このほん爆発的ばくはつてき人気にんきび、たちまちれてはんかさねました。

     このほんは、以後いごロケット研究けんきゅうんだフォン・ブラウンをふく青年せいねんたちにきわめておおきな勇気ゆうき希望きぼうあたえたてんで、歴史的れきしてき大変高たいへんたか価値かちつものとなりました。かくてオーベルトはドイツでもっと有名ゆうめいなロケット学者がくしゃとしてられるようになったのでした。

     オーベルトなどの著作ちょさく感激かんげきしたドイツの宇宙うちゅうマニアたちは、1927ねん世界初せかいはつ民間みんかん宇宙旅行協会うちゅうりょこうきょうかい設立せつりつしました(写真しゃしん2)。オーベルトもまねかれて参加さんかし、翌年よくねんには会長かいちょうされました。(つづく)


     ★的川泰宣まとがわやすのりさん

     ながらく日本にっぽん宇宙開発うちゅうかいはつ最前線さいぜんせん活躍かつやくしてきた“宇宙博士うちゅうはかせ”。現在げんざい宇宙航空研究開発機構うちゅうこうくうけんきゅうかいはつきこうJAXAジャクサ)の名誉教授めいよきょうじゅYACヤック顧問こもん、「KU-MAクーマ名誉会長めいよかいちょう、「はまぎんこども宇宙科学館うちゅうかがくかん館長かんちょうつとめる。


    日本宇宙少年団にほんうちゅうしょうねんだん(YOUNG ASTRONAUTS CLUB-JAPAN)

     宇宙好うちゅうずあつまれ!! http://www.yac-j.or.jp

    NPO法人ほうじん ども・宇宙うちゅう未来みらいかい(KU-MAクーマ

     宇宙教育うちゅうきょういくサポーターあつまれ!! http://www.ku-ma.or.jp

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