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ドナルド・トランプ氏の勝利は「パックス・アメリカーナ」(米国の支配による平和)の終焉(しゅうえん)を意味する。この時代は今後、歴史教科書に「1945年に始まり2016年に終結」と書かれるだろう。世界に指導的な国が存在しない「Gゼロ」の時代の始まりが決定的になった。
次期大統領は、世界に米国の価値観を広めて公共財を提供することや「民主主義の旗手」「世界の警察官」であることに関心がない。外交は単独行動主義で、同盟国との関係はビジネスのような取引となる。米国は軍事力や経済力だけではなく、日本や欧州などと共有する価値観を通じ、重層的に世界秩序を守ってきたが、これが大きく変わる。
不動産取引は最高値をつけた人に売るものだ。価値観を共有する買い手かどうかは問題ではない。(トランプ氏は)米国にとって最も有利な条件を提示する国なら、記者を殺害していようが、独裁だろうが気にしないだろう。シリア問題では、アサド政権排除に関心がないのでプーチン露大統領と取引し、過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いに集中するだろう。
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