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坂村健の目

東洋大情報連携学部(INIAD)の坂村健学部長が科学の視点でつづるコラム。

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坂村健の目

「AIの限界」は常に破られる

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 前回に続き人工知能(AI)について解説したい。筆者の直接の専門ではない。しかし、私が進めている「モノのインターネット(IoT)」においてAIは重要な要素技術。近年の動向には強い興味を持って見ているので、岡目八目ではないが言いたいことがある。

 私が研究しているのはIoTのエッジ(現実世界にある末端の組み込み機器)。例えば、ネット接続できるエアコンなどの家電に入れるコンピューターと、それらエッジの機能をネットワーク経由で連携動作させるための枠組みだ。ただ、枠組みより難しいのが、連携する複数の機器全体として最小のエネルギーで目的を実現する判断。家庭規模ならいざしらずプラントなど大量の機器が絡むと、従来型のコンピューターシステムではお手上げだ。

 そこで期待されているのが、ニューラルネット(神経回路網)型AIだ。囲碁のトッププロを破ったアルファ碁もその一つだが、開発したディープマインド社には単なる一里塚。同じAI技術をグーグルの巨大データセンターの空調制御に適用し、数千個のセンサーからのデータを基に空調やファン、窓の開閉など約120の制御要素の最適化を行った結果、数カ月の学習で空調関連のエネルギーが約40%も削減された。

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