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社説

激震トランプ 安倍首相と会談 霧中に踏み出した一歩

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 これを安定的な日米関係を築く一歩にしたい。安倍晋三首相は、ニューヨークでトランプ次期米大統領と会談した。各国首脳の中で、大統領選後にトランプ氏と会談した「一番乗り」となった。

     日本の首相が、就任前の次期米大統領と会談するのは極めて異例だ。だが、トランプ氏が選挙中、日本を含む国際社会の安全保障や経済を揺るがしかねない発言をしてきたことを考えると、理解できる。

     大統領就任前の非公式な会談とあって、詳しい内容は明らかにされなかった。首相は会談後、記者団に「トランプ次期大統領は信頼できる指導者だと確信した」と語った。

     トランプ新政権がどういう政権になるかは見通せず、霧の中にある。

     1時間半の会談で信頼関係を築き、これまでの懸念が一気に払拭(ふっしょく)できるものではない。強烈な個性のトランプ氏を相手に、首相としては個別の政策課題について議論するよりも、まず信頼関係の構築に努め、安全保障や経済について基本的な考え方を伝えたのではないか。

     トランプ氏は選挙中、日米安保条約の見直しに言及し、日本が在日米軍駐留経費の負担を大幅に増額しなければ、米軍を撤退させる考えを示した。だが、日本は在日米軍関係経費を総額で年間約7600億円も負担している。これ以上の負担増は、日本の納税者の理解を得られないことを念押ししておきたい。

     日米同盟を安定的に維持し、米国がアジア太平洋地域に関与し続けることが、この地域に平和と安定をもたらし、米国にとっての利益にもなる。そう説き続けることが重要だ。

     経済では、首相はトランプ氏との会談で、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を含めた自由貿易推進の意義を強調したとみられる。

     トランプ氏は「安い外国製品が米国の雇用を奪っている」と自由貿易を批判し、TPPに反対してきた。

     だが、米国がアジア太平洋地域への輸出を拡大すれば、米国の経済成長を加速し、雇用を増やす効果が見込める。米国にとってもメリットは大きいはずだ。首相は今後もTPPの重要性を粘り強く説明してほしい。

     これからの数カ月間で、トランプ氏は選挙向けの政策と、本当に実施する政策を整理するのだろう。

     トランプ政権のもと日米関係は大きな転換期を迎える可能性がある。

     首相はトランプ氏が大統領に就任した後、早期に再会談することを確認したという。トランプ氏に日米関係や、アジア太平洋地域、国際秩序についての認識を深めてもらうよう、話し合いを重ねてほしい。

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