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岩間陽子・評 『プーチンの国家戦略』/『ドキュメント 北方領土問題の内幕』

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 ◆『プーチンの国家戦略』=小泉悠・著

 (東京堂出版・2376円)

 ◆『ドキュメント 北方領土問題の内幕』=若宮啓文・著

 (筑摩選書・1944円)

凍りついた日露関係は再び動き始めるか

 プーチン訪日を控え、予習に打ってつけの二冊。小泉悠(ゆう)氏は軍事の専門家。日本のロシア報道は、北方領土の観点のみから伝えられがちであるが、より広いロシアの国家戦略の中に置かれると、こう見えるのかという像が浮かび上がってくる。

 例えば現在北方領土では、軍事インフラの近代化がすすめられている。これもロシアが近年強化しようとしている「拒否」能力の関連で見る必要がある、と小泉氏は指摘する。ロシアといえば陸軍、それも戦車部隊のイメージが強烈だが、現在はこのような正面から戦うための軍事力は優先順位が下がっているらしい。それよりも、「勢力圏」内での緊急事態に対応するための「介入」能力と、外部からの干渉を「拒否」する能力の強化が重視…

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