メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

松原隆一郎・評 『アメリカ 異形の制度空間』=西谷修・著

 (講談社選書メチエ・1836円)

 経済学の教科書やそれにのっとった経済学者の主張を読み、異様な印象を受けることがある。そこでは経済を営む主体たちは収入や支出、自分の欲求にかかわる数値を予想したり合理的に分析したりして行動するとされる。経験に執着することもあるが、それはせいぜい身辺の「数値」にかんするもので、それら半ば合理的な個人が群れたり相互作用したりする場が市場だという。消費者にしても企業にしても、世界や歴史から切り離された根無し草として数値をいじり回すのである。

 評者には、日本経済はその歴史的経緯や空間的な意味から営まれていると思える。そうした時間的空間的な意味を無視して普遍的な経済モデルが当てはまるとみなす思い込みに納得がいかないが、本書はその理由をあっけないほど簡潔に解き明かしている。現在日本の大学でも講じられている主流派経済学は、アメリカという「異形の制度空間」そのものだと言うのだ。さほど分厚くもない本ながら、大がかりで大胆な主張に、興奮して一気に…

この記事は有料記事です。

残り1047文字(全文1483文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 菅官房長官、アベノマスクしないのは「暑そうで」 ネット番組で

  2. 1週間の感染者1000人超の愛知、帰省の再検討求める 岐阜知事は「バーベキューに注意」

  3. 「うがい薬発言で現場混乱」 大阪府歯科保険医協会が吉村知事に抗議

  4. 「うがい薬、瞬く間に消えた」歯科医ら吉村知事に憤り 研究内容、発表法にも批判

  5. シリーズ・疫病と人間 あまりに悠長だ。政権も野党も国民も ファーストリテイリング会長兼社長・柳井正氏

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです