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論の周辺

「戦後」を歴史としてみる

 第二次世界大戦終結から70年の節目だった昨年を経て、既に戦後71年が過ぎた。それにしても、この「戦後」という区切りはいつまで有効なのだろう。筆者自身、数年前に「のんべんだらりと続く『戦後』としか現在をとらえられない」問題について書いたこともあるが、代わりにこれといった指標は見当たらない。

 手がかりになる本が出た。近現代日本史を専門とする成田龍一さんの『「戦後」はいかに語られるか』(河出ブックス)だ。「いま、私たちは、大きな転換期に遭遇している」との認識のもと、「耐用年数が過ぎたにもかかわらず『戦後』に負ぶさる姿勢と、『戦後』を無きものにしようとする動き」の両者に対抗し、「戦後」を歴史としてとらえようと試みている。

 前提は二つある。一つは、いま「『戦後』の歴史がある決定的な地点を越えてしまった」という見方だ。これは2011年の東日本大震災と「そこでの不安をもとに誕生した現政権」により、「これまでとは異なる光景」が広がってきたとの状況把握からきている。3・11の原発事故は世界史的な意味を持ち、「戦後レジームからの脱却」を唱える政権は、戦後に培われてきた思想や制度、それをめぐる議論までをも「消去しようと」してい…

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