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記者の目

津波訴訟 遺族の思い=伊藤直孝(東京社会部)

震災の教訓を語るフォーラムであいさつする津波訴訟の原告遺族ら。遺族の連携は法廷外でも進んでいる=仙台市で3月、佐々木順一撮影

 東日本大震災で児童・教職員84人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の被災を巡る訴訟は、控訴審で審理が続くことになった。私は3月まで2年間、仙台支局で大川小を含む複数の津波関連訴訟を取材し、一瞬の判断や不作為で多数の命が失われる現実を改めて知った。判決が次々と言い渡される中で、遺族が訴えた「悲惨な出来事を繰り返さないで」という思いを、法廷の外で受け継いでいく必要性を実感している。

 「和解で後世に形を残すことができるだろうか」。2014年11月、私は石巻市の日和(ひより)幼稚園で次女を亡くした西城靖之(やすし)さん(48)から相談を受けた。控訴審で和解協議が大詰めを迎えていた時期だ。

 園は地震後、高台の園舎から低地に送迎バスを走らせ、園児5人と職員1人が津波と火災で亡くなった。1審・仙台地裁は情報収集をしていなかった園長らの責任を認定して約1億7700万円の賠償を命じ、控訴審の和解協議でも仙台高裁は園の法的責任を認める意向を示していたという。判決になれば勝訴が見込めたが、遺族は迷っていた。

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