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社説

鶴保沖縄担当相 資金も言動も問題多い

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 また不透明な政治資金の問題が明らかになった。鶴保庸介沖縄・北方担当相の政治資金パーティーに際し、NPO法人の副代表が上限を超えるパーティー券を自分以外の名義で購入したという一件だ。鶴保氏は「返金した」というが、それで一件落着というわけにはいかない。

     問題は、観光振興を目的とするNPOの副代表が2013年、鶴保氏の資金管理団体が開いた政治資金パーティーの券を、知人らの名義を使って200万円分購入したというものだ。政治資金規正法は1回のパーティーで同一の者が購入する上限を150万円と定め、名義を偽装したパーティー券の収受も禁じている。

     鶴保氏は購入の経緯を「知らなかった」と国会で答弁しているが、副代表は取材に対し「鶴保氏の秘書から何度も頼まれ200万円払うことになった」と語っている。仮に双方が示し合わせて名義を振り分けたとすれば悪質な違法行為である。

     もう一つの疑問は、副代表がパーティー券購入から5日後に当時、副国土交通相として観光庁を担当していた鶴保氏に副国交相室で面会したと証言している点だ。

     このNPOはその後、観光庁の補助事業の対象に選ばれている。鶴保氏は「私や事務所が口利きをしたことは一切ない」と述べているが、利害関係者からパーティー券を購入してもらったうえで省内で面会すること自体が適切とはいえない。国交省は面会に同席した職員からきちんと聞き取り調査をすべきだ。

     鶴保氏のパーティーでは、脱税事件で有罪判決が確定した会社社長が自社の役員名義で100万円分購入していたことも判明している。これも返金したというが、「他人名義」が当たり前のようになっていたのではないかとの疑問が残る。

     鶴保氏は、沖縄県の米軍北部訓練場工事に反対する市民らに対して大阪府警の機動隊員が「土人」と呼んだことについて「『土人である』と言うことが差別であると断じることは到底できない」との答弁を繰り返している。まったく理解できない発言で、野党や沖縄県の翁長雄志知事らが批判するのは当然だ。

     10月には選挙の結果と沖縄振興策が「リンクしている」と語った。選挙で自民党が勝てば政府の沖縄振興予算が増えると受け取れる発言で、その後、鶴保氏は釈明に追われた。

     政治資金問題といい、一連の発言といい、閣僚としての資質に大きな疑問があるにもかかわらず、菅義偉官房長官は鶴保氏から改めて説明を聞く考えはないという。与党の圧倒的多数をバックに乗り切れると楽観しているのだとすれば、やはり安倍政権のおごりと言うほかない。

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