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社説

再犯防ぐ道 就労と学びの場がいる

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 刑務所での服役を終えても、再び犯罪に手を染める「再犯」の防止が社会の課題となっている。そんな中、地域の企業が刑務所や少年院を出た人に職と住まい、学びの場を提供する動きが注目される。

     2016年版の「犯罪白書」によると、犯罪で検挙された人のうち再犯者は48%を占めた。刑務所を出て2年以内に18・5%が刑務所に戻る。再犯を防ぐには職と住まいを確保し、孤立させないことが重要だ。

     このため出所者らを雇い入れる法務省の協力雇用主制度がある。だが、1万社以上の登録があっても実際の雇用は5%程度にとどまる。経団連主導による全国就労支援事業者機構も09年に創設されたが、大きなうねりにはなっていない。

     地域の企業が日本財団の支援を受け、13年に始動したプロジェクトがある。それ以前から出所者らを雇ってきたお好み焼きの千房(ちぼう)(大阪市)などが中心になった「職親(しょくしん)」だ。大阪府、東京都、福岡県、和歌山県で計59社が参加する。中には「自分も若いころは悪さばかりしていた」という経営者もいる。

     「職を通じた親」となる企業は、刑務所や少年院へ面接に出かけ、身元引受人となって雇用する。寮や社宅などを用意し、昔の環境には絶対に戻さないことを心がけている。参加企業が連携し、本人の適性や希望をみて就労先を変えるといった柔軟な対応もとるという。

     とはいえ試行錯誤は続く。「突然いなくなった」「ささいなケンカで辞めた」という話は少なくない。

     「職親」は8月現在で59人を雇用したが、6カ月間の就労体験を終えたのは22人だ。家族のもとに戻ったケースもあるが、残りの多くは挫折し、会社に姿を見せなくなった。

     職場での定着率の低さをなんとかしようと、福岡と大阪の「職親」プロジェクトは学びの場を作った。

     出所者らは少年時代に教育の機会に恵まれなかった人や、意思疎通がうまくできない人が多い。そんな劣等感や苦手意識が職場でのトラブルや短期での離職を招き、社会復帰の妨げとなる。このため、国語・算数の基礎知識やマナーなどの社会常識を学ぶ教室を設け、運営している。

     日本財団は各地の取り組みを支援するほか、新たな企業グループづくりを働きかけている。新潟県上越市で今月、建築会社や農場、旅館など10社が集まり意見交換した。神奈川県や山梨県、奈良県、京都府でも前向きな動きがあるという。

     「職親」を通じて社会復帰の手がかりをつかみ、事業を起こした人も2人いる。犯罪を減らし悪循環を断つ動きが各地に広がり、こうした事例が増えるのを期待したい。

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