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社説

カジノ法案 唐突な採決に反対する

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 あまりに唐突である。

 カジノを合法化し、事実上解禁する「統合型リゾート(IR)整備推進法案」(カジノ法案)の今国会成立を目指す動きが強まっている。

 自民党は、衆院内閣委員会での採決を与野党に提案するなど、決着を急いでいる。

 国会が14日まで延長されたことを受け、法案はおととい審議入りしたばかりだ。ギャンブル依存症の増加などいくつもの懸念が示されている法案を、まともな議論もせず採決することなど論外だ。

 法案は、カジノや会議場、ホテルなどが一体となった施設の整備をうたう。成立してもすぐにカジノができるわけではないが、政府は1年以内をめどに別の法律を定め、カジノ運営のルールなどを決める。

 この法案は議員立法で、昨年再提出されたものだ。自民党以外に日本維新の会などが賛成している。

 特に日本維新の会は、2025年の大阪万博の誘致を目指す立場から、IRを推進している。代表の松井一郎・大阪府知事は今国会での法案成立に期待する発言をしている。

 今国会では、カジノ解禁を目指す超党派の国会議員連盟を中心に審議入りを模索していた。

 自民党は早ければ、きょう委員会で採決し、6日の衆院本会議での採決に持ち込むようだ。与野党の対決法案について、審議入り直後の採決は極めて異例だ。

 法案が成立し、カジノができれば、建設需要や雇用が創出され、海外からの観光客増加による経済効果も高いと推進派は主張する。だが、収益のほとんどは海外資本に吸い上げられるとの指摘がある。

 ギャンブル依存症問題も避けて通れない。パチンコなどが広く普及する日本で依存症は深刻だ。カジノでは、日本人に対しては入場資格を設けたり、入場料を徴収したりすることが検討材料になっている。しかし、法案に具体策は書き込まれておらず、対応は先送りされた格好だ。

 マネーロンダリング(資金洗浄)や、青少年の健全育成への影響など他にもマイナス面の指摘は多い。そもそも賭博は刑法で禁じられている。カジノを例外とする根拠はどこにあるのか。

 論点は山積している。シンガポールや韓国などカジノを誘致した国で、依存症対策の限界やヤミ金融の増加などの事例も報告されている。海外のカジノをめぐる状況の調査や検証も欠かせない。

 党内に賛成論もあった民進党は法案に反対する方向だ。これまで慎重な姿勢を続けてきた公明党はどう対応するのか。対決法案をほとんど審議しないまま成立させるような国会運営は許されない。

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