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性暴力の現場で/4 兄からの虐待 逃げ得…納得できない /群馬

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「うそでしょ」 母は言い放った

 兄を訴えたい。許せない。裁判で罪を償ってほしい。そう願ったが、親から反対され、警察には届けなかった。

 ナツキさん(19)=仮名=は小学生の頃の記憶がほとんどない。兄から受けた傷痕が、澱(おり)のように残っているだけだ。5歳上の兄のわいせつ行為が始まったのは小学校に入ってすぐの頃だった。県内のある住宅街。家族が寝静まった頃、部屋の扉が音もなく開いて、兄が入ってくる気配を感じた。何をされているのかは分からなかったが、気持ち悪かった。やめてほしい。ぎゅっと目をつぶり、祈った。「早く終わりますように」。最後に兄はこう言って部屋を出て行った。「誰にも言うなよ。言ったらおまえを殺すか、おれが死ぬかだ」。以来、それはほぼ毎日、続いた。

 中学1年の冬。学校で警察官による防犯講話が開かれた。「不本意な形で体を触られることは犯罪被害です」。警察官の言葉に、初めて兄の行為が強姦(ごうかん)という犯罪だと知った。

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