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この人に聞く/山形

東北芸工大3年 追沼翼さん /山形

追沼翼さん

閉めた老舗書店復活へ 追沼翼さん(21)

 店舗販売をやめた山形市七日町2の老舗書店を市民が気軽に交流できる場に復活させようと、同市の東北芸術工科大3年、追沼翼さん(21)が奮闘している。改装費など資金調達に課題はあるものの、今年度内のオープンを目指している。まちの活性化に取り組む若者に思いを聞いた。【二村祐士朗】

     --きっかけは。

     既存の建物を改修して新たな魅力を創造する「リノベーション」を考える大学の授業です。店じまいの個人商店が目立つ七日町で面白い物件を探すこととし、木造2階建ての「郁文堂(いくぶんどう)書店」の持ち主、原田伸子さん(80)と出会いました。建物の独特な雰囲気にひかれて話を聞きました。

     --どんな話でしたか。

     原田さんは、東京の書店で働いた義父が山形に戻って今の店舗近くに書店を1933年に開きました。作家・司馬遼太郎(1923~96年)ら知識人が多く通ってにぎわった思い出を約3時間、語ってくれました。店内の机を囲んで客同士が自由に話す雰囲気が大好きだったそうです。

     --なぜ店舗を閉めたのですか。

     店を継いだ原田さんの夫が約10年前に亡くなり、続けたいと思いながら自身の年齢も考えて店舗での販売をやめたということを明かしてくれました。一つの物件に歴史や持ち主の思いがあることに感銘を受け、授業の枠を超えて自分たちで書店を復活させたいと決意しました。

     --どんな計画ですか。

     1階(44平方メートル)では、自分の好きな本を紹介したいという人に有料で本棚を置くスペースを貸し出し、本の紹介文などを添えてもらいます。訪問客は好きな本を借りて読み、感想を書いてもらう。談話室も設け、あらゆる方法で「交流」できる場を提供したいと考えています。

     --実現には苦労も多いのでは。

     床が見えないほどあった数千冊の本の整理は苦労しました。8月末から毎週末、友人と整理し、原田さんに確認しながら選別しました。壁や本棚の解体は手作業でやりました。

     --課題は。

     資金調達です。天井工事や材料費など初期費用に約235万円かかります。知人らの支援でまかなっていますが、80万円は計画に賛同する市民らにインターネットを通じて出資してもらう「クラウドファンディング」で募っています。期限は今月下旬ですが、目標額には足りていません。

     --始めてみて感じたことは。

     私はどちらかというと、人見知りな性格です。何か人の役に立ちたいと昔から漠然と考えつつ、今まで積極的に周りに働きかける経験がありませんでした。正直、不安も大きいです。ただ店舗で作業をしていると時折、書店の常連客が顔を出して、「楽しみにしているぞ」と励ましてくれます。実現に向けて全力を尽くします。


     ■人物略歴

    おいぬま・つばさ

     仙台市出身。5歳まで米オレゴン州で過ごす。デザイナーの母香理(かおり)さんの影響で、趣味はステンドグラス制作。問い合わせは、原田さん(023・622・3232)、追沼さん(of.the.box94@gmail.com)へ。

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