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米国巡り、語るシンガー(その2止) 加害と被害、立場超え

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自宅庭に植えられている被ばくしたアオギリの子孫を見つめる中村里美さん(中央)と、兄柊斗さん(右)、伊藤茂利さん=東京都町田市で
自宅庭に植えられている被ばくしたアオギリの子孫を見つめる中村里美さん(中央)と、兄柊斗さん(右)、伊藤茂利さん=東京都町田市で

 

 ◆映画「アオギリにたくして」米で上映

原爆の痛み、向き合う

 「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」を翌日に控えた9月25日、シンガー・ソングライターの中村里美さん(52)は東京都内で開かれた集会に立っていた。交流を続ける被爆者の証言を語った後、言葉の意味を一つ一つ確かめるように歌い始めた。「ノー・モア・ウォー ネバー・アゲイン ノー・モア・ヒロシマ、ナガサキ」

 「『核兵器なき世界』への道のりが容易でないことは被爆者の皆さんも分かっておられます。それでも加害や被害の立場を超え、人類的な見地から訴え続けておられる。これほどの誇りはないですよ」。そう話す中村さんに歩み寄り、長崎原爆の被爆者で日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の事務局長、田中熙巳(てるみ)さん(84)が伝えた。「被爆者は高齢化し、もう時間がないんです。命懸けで叫び続けてきたことを語り継い…

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