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平松 洋子・評『世界のおばあちゃん料理』ガブリエーレ・ガリンベルティ/著

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写真家が世界中を旅して、幸福な味と出会う

◆『世界のおばあちゃん料理』ガブリエーレ・ガリンベルティ/著 小梨直/訳(河出書房新社/税抜き1600円)

 なんと幸福な本だろう。料理写真集であり、女性のポートレート集であり、各国のレシピ集であり、人生の断片を描く物語集でもあり、旅の記録でもある。多彩な要素が万華鏡のよう、無名の女性たちとその料理がまぶしい。

 邦題は『世界のおばあちゃん料理』。少々枯れた印象を受けがちだけれど、原書のメインタイトル『IN HER KITCHEN』に、エネルギッシュな姿を感じる。何十年にもわたって家族の胃袋をつかまえ続ける年季の入った腕前は、かくも女性に魅力と存在感を与えるのだ。ページをめくりながら誇らしい気持ちになってくるのは、ほがらかで力強い写真の力だ。

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