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50年以上続く毎日新聞夕刊社会面掲載のコラム。編集局の副部長クラスが交代で執筆。記者個人の身近なテーマを取り上げます。

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三回忌

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 鉛色の空の下、能登で営まれた友人の三回忌に、彼の長男の姿はなかった。

 石川県輪島市の中島酒造の蔵元兼杜氏(とうじ)だった中島浩司さん(享年60)が亡くなったのは一昨年11月。市内の漆器店の次男として育ち、酒屋に婿養子として入って約30年。突然の杜氏不在や能登半島地震での酒蔵全壊を乗り越えながら、苦労続きの酒造り人生だった。

 長男の遼太郎さん(28)に酒造りの経験はほとんどなく、家族や私は「今度こそは廃業しかないのか」と諦めかけていたが、遼太郎さんは後を継ぐことを決心。今冬が3度目の仕込みとなる。

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