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人・かお・トーク

中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会山梨支部会員 渡辺雅雄さん /山梨

渡辺雅雄さん

石綿被害は身近な問題 渡辺雅雄さん(67)

 --石綿(アスベスト)による健康被害の救済や支援に取り組む患者団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」の県支部である山梨支部会員で、相談会ではアドバイザーもされています。

     ◆支部は3日、設立されました。私は工務店を経営しており、県建設組合連合会に加入しています。その上部団体である全国建設労働組合総連合を通じて、会の活動を知りました。県建設組合連合会は、同会と連携しており、2014年から県内で行われている、会によるアスベストの相談会に会場を提供したり、窓口の役割を担ったりしています。

     --活動のきっかけは。

     ◆一緒に工務店を営んでいた兄は、肺がんで亡くなりました。アスベストによる健康被害で起こる肺がんは、恐ろしい病気です。顕在化していない患者は多くいるとみられ、多くの人に関心を持ってもらいたいと思い、少しでも支援できればと会員になりました。

     --相談会では同席し、建設業者としての知見を生かしアドバイスをされています。

     ◆甲府市で生まれ、父と兄と私の3人で起こした工務店は昨年50周年を迎えました。「住まいの便利屋」として、建物に関する依頼から人生相談まで、地域の方と関わってきました。相談会に来る人や遺族にはアスベストの知識がないこともあり、建築業の立場から、身近な建材などにアスベストが含まれていることなどを説明しています。

     --アスベストを身近に感じない人も多いと思います。

     ◆多くの人が「私には関係ない」と人ごとのように捉えているかもしれませんが、自分や家族の命に関わる身近な問題です。健康被害の有無にかかわらず、しっかり認識を持っているのと、いないのでは大きく違います。

     アスベストは、耐熱性などに優れ安価なため建材に多く利用されたのですが、現在は原則として使用が禁止されています。ただ、禁止前に建てられ、外壁や屋根にアスベストが含まれる住宅はいまだに多く存在しています。私自身、身の回りのあらゆるところに使用されている可能性があると分かったときは、衝撃的でした。

     --建築業の視点から助言できることの意義は。

     ◆アスベストによる健康被害は誰にでも身近なものです。相談会では会の担当者が被害救済に向けた助言をします。支部設立により、より身近な立場で対応できるようになりました。建築業の立場としては、健康被害がなくとも、住宅などにアスベスト材が利用されている可能性もあり、予防や対策の観点から一助になれたらと思っています。

     --アスベスト問題の課題は。

     ◆建築基準法で火気を用いる部屋で準不燃材を使うことが定められているため、アスベストが一般の住宅建築などでも使われてきた背景があります。公害として捉え、行政が耐震補強と同じように補助を出すなど積極的な対応が必要でないでしょうか。【聞き手・藤河匠】


     ■人物略歴

    わたなべ・まさお

     甲府市生まれ。甲府南高卒。父と兄と共に甲府市で工務店を起こし、現在代表取締役。1級・2級建築士の資格も有している。多忙のため、最近は趣味の釣りがなかなかできないという。

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