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社説

カジノ法成立 また政治不信が募った

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 立法府の権威を自ら汚すに等しい会期末のドタバタである。

 カジノ解禁に向けた「統合型リゾート(IR)整備推進法」(カジノ法)が成立した。参院審議での取り扱いが焦点だったが、民進党は採決を容認した。

 民営賭博を事実上合法化するという、国民生活に直接影響する法律だ。にもかかわらず、まともな議論も経ずになし崩しに道を開いたことは納得できない。

 おとといからきのうにかけて、事態は急変した。参院で自民、民進両党が法案修正で歩み寄ったためだ。

 修正といってもギャンブル依存症対策の明示や施行後5年以内の見直しなどにとどまる内容で、根幹は変わらない。経済効果やマネーロンダリング対策も含め、衆参合計22時間程度の審議では議論を尽くしたというにはほど遠い。

 特に理解しがたいのが、参院における民進党の対応である。

 蓮舫代表は安倍晋三首相との党首討論でカジノ問題に議論を集中させた。IRを成長戦略と位置づける姿勢を「国家の品格を欠く」と批判し、成立阻止を強調していた。参院内閣委員会の委員長は民進党所属のため、議事の主導権を握っていた。

 ところが参院審議の土壇場で参院民進党は法案の手直しを評価し、内閣委員会の採決に応じてしまった。

 民進党が採決に応じない場合、自民党は委員会の採決を省略していきなり本会議で成立を強行するかの判断を迫られるため、与党にも慎重論があった。法案に反対したとはいえ不十分な修正で採決に応じたことは、結果的に民進党が成立に手を貸したと取られても仕方ない。

 この歩み寄りは民進党の参院幹部が主導したのだという。さすがに党内でも批判が起きたのか、執行部は今度は内閣不信任決議案の提出など強硬姿勢に走った。政党の統制を欠いた旧民主党そのままのちぐはぐな対応である。

 もともとカジノ解禁をめぐり民進党は賛否両派を抱えている。意見集約を怠ってきたツケが回ってきたとも言えるのではないか。

 もちろん、会期の延長に便乗して無理やり成立を急いだ自民党に一番の問題がある。首相ら官邸がIR構想を推進する中でスピード決着に走り、公明党も事実上同調した。

 強引な対応はIRを推進し、与党に協調的な日本維新の会への配慮からとみられる。だが、推進派もカジノ解禁の副作用を認める中、乱暴に議論を進める必要などなかった。

 「安倍1強」に与党がなびき、野党第1党の軸足が定まらないようでは国会は正常に機能しない。国会はまた、政治不信を深めてしまった。

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