トランプ氏勝利

理想に反発した白人層 トッド氏に聞く

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エマニュエル・トッド氏=パリの自宅で2016年11月23日、賀有勇撮影
エマニュエル・トッド氏=パリの自宅で2016年11月23日、賀有勇撮影

 自由貿易や行き過ぎたグローバリズムに「ノー」を突きつけ、米大統領選で勝利を収めたドナルド・トランプ氏。何がトランプ氏を勝たせたのか。世界はどこに向かうのか。フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏に聞いた。【聞き手・パリ賀有勇】

 かつて乳幼児死亡率の上昇を「兆候」と捉え、ソ連崩壊の可能性を指摘した。今回もトランプ氏が勝利する可能性はあると考えてきたが、その「兆候」が米国での45~54歳の白人死亡率の上昇だ。医療の発達や生活レベルの向上で低下傾向にある先進国の死亡率だが、米国の白人は1998年以降、上昇に転じているとの研究データがある。死因は自殺やアルコール中毒が目立っていた。不安や苦しみを多くの人々が味わっていたことを意味しており、有権者の約70%を占める白人層は、大きな変化を受け入れる準備ができていたのだ。

 ヒラリー・クリントン氏は白人の死亡率が上昇する米社会で、実態とはかけ離れた理想を語った。2015年1月の週刊紙「シャルリーエブド」襲撃事件後、400万人近くの国民が街に繰り出し、「自由・平等・友愛」というフランスの「価値観」を叫んでいた光景と重なった。

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