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コウノトリ

日韓でより身近な鳥に 生息地域拡大へ連携探る

滋賀県高島市安曇川町の水田地帯に飛来した2羽のコウノトリ=塚原和俊撮影
千葉県野田市から放鳥され、東京都八王子市内の多摩川近くの田んぼで過ごしているコウノトリの若鳥「きずな」=24日午前4時46分、日橋一昭さん提供

 コウノトリの野生復帰に取り組む日韓の研究者が集まり保護事業の大切さを訴える国際シンポジウム「コウノトリの生息域拡大に向けて 全国へ そして世界へ」が10日、東京都武蔵野市の井の頭自然文化園で開かれた。日本のコウノトリ保全に取り組む専門家らで組織する「コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル(IPPM―OWS)」の主催で、市民ら120人が参加。野外コウノトリは独身の雌が多いことや、徳島・鳴門と福井・越前が新たな営巣地となる可能性があることなど、最新の研究成果が報告された。

 コウノトリは12月1日現在、兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)など17施設に約200羽、野外に99羽生息し、45都道府県に飛来するなど全国で人と接する機会が増えている。さらに昨年から福井県や千葉県野田市でも放鳥がスタート。新たに飼育を希望する自治体もあるという。一方、韓国でもコウノトリの郷公園の協力で昨年と今年で計15羽を放鳥。今年は野生2世が2羽誕生したほか、2施設で165羽を飼育している。日韓両国を行き来する個体も現れており、絶滅リスクの軽減や生息域拡大のため、両国の連携が求められるようになってきている。

韓国のコウノトリについて講演する韓国教員大学のユン・ヒョンジュ研究員=東京動物園協会提供

 コウノトリは、環境省のレッドリストで、ごく近い将来、絶滅の危険が極めて高い「絶滅危惧ⅠA類(CR)」に分類されている。シンポジウムでは、IPPM―OWSの山岸哲代表が「コウノトリが絶滅寸前(CR)を脱し、(絶滅のおそれは高いが、ⅠA類ほどではない)絶滅危惧ⅠB類(EN)に再評価されるためには、野外100羽は一つの通過点」とあいさつ。兵庫県立大大学院の江崎保男教授は、コウノトリの郷公園がある兵庫県北部・但馬地域で継続的に生存できる個体数は50羽程度で、ほかの地域で個体群を形成するために必要な餌の量の全国調査などを進めていることを報告した。

 また、韓国教員大学のユン・ヒョンジュ研究員は、韓国には日本にない遺伝子タイプの個体がいるとして、個体交換プログラムを提案。兵庫県立大大学院の内藤和明准教授も、絶滅リスクを減らすため遺伝的多様性の拡大と日韓両国の情報交換の必要性を訴えた。

 会場からは「環境収容力を上げるためにはどうしたらいいか」「韓国での保全の態勢や動物園との協力関係はどうなっているのか」など多くの質問が寄せられ、関心の広がりをうかがわせた。【青木浩芳】

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